院長も実践!マインドフルネスのススメ
5分間の「マインドフルネス」で「今に集中する」練習を
「検査の結果がいつも不安」「ついイライラして子どもに怒ってしまう」「悩みや考えごとで眠れない」…
私たちは、過去の失敗や未来の不安といったことにとらわれてしまいがち。
今この瞬間のことをおざなりにしていないでしょうか?
過去の失敗や未来の不安といったネガティブなことにとらわれ、自分でストーリーを作り上げ、不安やストレスのループにはまり込んでいるのです。
そんな時は、目を閉じて深呼吸し、「今、この瞬間」に意識を向けましょう。
心が ”今この瞬間” に向いている状態を「マインドフルネス」といいます。欧米では、乳がんや高血圧やうつ病などの治療にマインドフルネスを取り入れている病院も。
心や身体のつらさを和らげる鍵は、自分自身の中にあるのかもしれませんね。
マインドフルネスのやり方は?
例えば、2~3分ほど「呼吸」に注意を向けることで、雑念にとらわれていた心が、今この瞬間に意識が向くようになり、不安な時間をできるだけ減らしていくと、気持ちも楽になり、頭もすっきりしてきます。
- 気持ちの落ち着くところを見つけ、心地よい姿勢で座ります。全身の力を抜き、背筋を伸ばし、少し骨盤を立てて、座骨で体が支えられているのを感じます。地面にあぐらをかいても、椅子に座っても、どちらでも構いません。目は軽く閉じても、薄く開けて一点を見つめても良いでしょう。
- まずは、あなたの自然な呼吸を感じてみましょう。浅く速い呼吸か、ゆったりしているのか、観察してみます。次に、冷たい空気が鼻腔の中を通り、温まった空気が外へ出ていくのを感じてみましょう。息を吸うとお腹が膨らみ、息を吐くとお腹が縮むことを意識してみてもいいでしょう。
- 呼吸に注意を向けていても、考えごとや、雑念が浮かんだりするかもしれません。雑念が浮かんでしまったことに気づいたら、無理にそれを追い払おうとせず、ゆっくりと呼吸に意識を戻しましょう。
マインドフルネスを「練習」する
はじめは、一人で実践するのは難しいと感じるかもしれません。「Calm」「Meditopia」など、無料でも楽しめるマインドフルネスのアプリがたくさんありますので、アプリのガイダンスに従うのも良いと思います。
また、マインドフルネスは呼吸に合わせて行う以外にも、様々な方法があります。
お皿を洗うときに、お皿に一枚一枚丁寧に洗う
散歩のとき、一歩一歩踏みしめてみる
顔を洗う時、石鹸をきちんと泡立てる、スキンケアの時は一つ一つの動作を確認しながらする
道端の草花が揺れるのをじっと見つめる、目を閉じて周りの音に耳を澄ませる
という風にしても、今に意識を向ける練習が出来ます。
先日のサンデーブランチでは参加者の皆さんと一緒に、呼吸法を使った、マインドフルネスを練習しました。
10分間だけでしたが、不思議と身体が温かくなったと感じた参加者の方もいました。
https://www.instagram.com/p/DDUBZhSzJPK/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
マインドフルネスは「練習/プラクティス」するもの。最初はうまくいかなくても大丈夫です。
マインドフルネスをしていると、ついつい「どのくらい時間がたったかな?」「これをしなくては」といった雑念が浮かんできます。
この様子を、モンキーマインド(the monkey mind)という言葉で表すことがあります。仏教用語の「心猿」が由来だと言われていて、「注意が散漫して集中できない心の状態」を意味する言葉です。
無数の猿が、常にあなたの脳内を走り回って、枝から枝へ飛び移っている、、、いろんなこと(雑念)が頭に浮かんできて、気が散ってしまう様子が浮かびませんか?
いろいろ雑念が浮かんでうまく集中できない時は、 客観的に、「あ、今、いろいろ考えているな、私。」と 気が散っている自分を認識するだけでもいいそうです。
実は、私も仕事を始める前に2分間、マインドフルネスを実践しています。
すると、やるべきことがたくさんあって圧倒されそうな日、なんだか疲れてやる気が出ない日、イライラしたり焦っている日も、心が充たされているように感じ、足が地面に落ち着き、ベストコンディションで診療に臨めるような感じがするのです。
私は、小さいころ、祖父に書道を習っていました。一筆一筆、大切に筆を運ぶのは、なかなか子供には難しかったのですが、祖父が毎朝早く起きて机に向かい、筆を運んでいた時の様子をよく思い出します。祖父にとって、書道はまさに、心を今に留める「マインドフル」な時間であったのでしょう。
大学時代には、弓道部に所属していたのですが、練習の前に「無心」となるべく、全員で目を閉じて星座をする「黙想」の時間がありました。試合の時は、的を射たい、という欲がでてきますが、どんな時も、弓道には、一つ一つの動作に意味があり、それを丁寧に行っていくと、自然と、心と身体が一つになり結果がついてきます。この感覚がとても好きでした。
さて、マインドフルネスは「練習」するものなので、うまくやろうとする必要はなく、とにかく繰り返し続けてみるのが良いと思います。最近ではトップアスリートや、ビジネスの世界でも取り組む方が多いそうですよ。活発に過ごすのが好きでじっとしているのが苦手だという方も、ぜひ、 騙されたと思って、挑戦してみてくださいね。
注)精神疾患を抱えている方は、マインドフルネスについては注意が必要です。うつ病やPTSD、不安障害などの精神疾患を抱えている方は、不安や抑うつがかえって強くなることがあるため、マインドフルネスを行う場合は、主治医と相談のうえで実践するようにしてください。