乳癌とよく似ている肉芽腫性乳腺炎|治療法が確立していない病気
乳房にしこりや痛みが出たとき、まず心配になるのが「乳がん」です。
しかし実際には、がんではないのに似た症状を出す病気もあります。
その一つが、肉芽腫性乳腺炎です。
日常の診療ではあまり遭遇しないのですが、私自身は数人経験しています。
乳がんとよく似た、ちょっと変わった乳腺炎として、常に念頭に置いておく必要があります。
肉芽腫性乳腺炎とは?
肉芽腫性乳腺炎は、乳腺に炎症が起こり、しこりや腫れを生じる良性の病気です。
肉芽腫とは、細菌やウイルスなどの感染や、異物などの物理的な刺激、免疫的な刺激によって、マクロファージやリンパ球などの免疫細胞が集まり、 体の中で炎症が続いたときにできる特殊な組織のことです。
どんな症状が出る?
症状は乳がんと似ていることがあり、注意が必要です。
- しこり(比較的硬いこともある)
- 乳房の痛み
- 赤み・腫れ
- 皮膚のひきつれ
- 膿(うみ)が出ることもある
見た目や触った感じだけでは、乳がんと区別が難しいことがあります。
また、結節性紅斑という、下肢の痛みのある発疹と発熱も共に見られる場合があります。
なぜ起こるの?
はっきりした原因は分かっていませんが、以下が関係すると考えられています。
- 出産・授乳後(特に数年以内)
- ホルモンの影響
- 免疫の異常
- 細菌(特にコリネバクテリウム)
若い女性に比較的多いのも特徴です。
乳がんとの違いは?
肉芽腫性乳腺炎は良性の病気ですが、
見た目や画像が乳がんと非常によく似ています。
そのため、最終的には生検(組織検査)が必要になることが多いです。
治療はどうする?
状態によって治療は異なりますが、まだ確立はしていません。
① 経過観察
軽症の場合は、自然に改善することもあります。
② 抗菌薬
細菌感染が疑われる場合に使用
③ ステロイド治療
標準的な投与量、投与期間はいまだ確立されていませんが、乳がんや化膿性乳腺炎(最近の感染)でもない、と診断された場合に第一選択として使用されています。
④ 外科的治療
膿がたまり、痛みが強いときは切開排膿を行うこともあります。
注意したいポイント
① 長引くことがある
数週間〜数ヶ月、場合によっては年単位で続くこともあります。
② 再発することがある
一度よくなっても、再び症状が出ることがあります。
③ 自己判断しないこと
「前も同じだったから」と放置するのは危険です。
乳がんとの区別が必要なため、必ず受診を。
こんなときは受診を!
- しこりがある
- 痛みや赤みが続く
- 膿や分泌物が出る
まとめ
肉芽腫性乳腺炎は、 乳がんに似た症状を出す良性の炎症性疾患ですが、
診断には検査が重要です。
経過観察のみでも自然に治った方もいらっしゃいました。
しこりが大きくなったり、痛みや赤みが強くなる場合は治療が必要になります。
ステロイドに反応すれば、時間はかかりますが軽快してきます。
長期間に及ぶこともありますが、粘り強く治療を行っていきましょう。
最後に
乳房の異常に気づいたとき、「がんかもしれない」と不安になるのは自然なことです。
しかし、肉芽腫性乳腺炎のようにがんではない病気も存在します。
大切なのは、自己判断せず、きちんと検査を受けて正しく診断することです。
不安なときは、いつでもご相談ください。
あいかブレストクリニックの特徴
- 乳がん検診から精密検査、術後フォローまで一貫対応
- 日本乳癌学会認定の女性乳腺専門医による診療
- 全スタッフ女性、落ち着いた院内環境
- 神戸・西宮・尼崎からも好アクセス(阪神芦屋駅徒歩3分)
- ネット予約・LINE予約で初診もスムーズ
ご予約・お問い合わせ
- Webまたは電話での予約制
- 検査内容は当日相談可能
📞 電話予約:0797-38-7171
LINEでも問い合わせできます
🌐 Web予約はこちら