乳がんの症状⑤乳房の左右差
左右の乳房の大きさや形が異なることは、よくあることで、あまり心配する必要がありません。むしろ、左右の乳房が、全く同じ、という方の方が少ないのではないでしょうか?しかし、乳がんの兆候として現れる場合もあるため、注意が必要です。今回は、お問い合わせの多い、乳房の左右差が乳がんの症状として現れる可能性について詳しく説明します。
乳房の左右差はよくあること
多くの女性は、生まれつき、あるいは思春期の成長過程、妊娠・授乳期、閉経後などに、左右の乳房の大きさや形が変化することを経験します。このような乳房の左右差はホルモンバランスの変化で、体の成長、年齢を重ねることに伴って自然に生じるものであり、特に心配する必要はありません。
乳がんの兆候としての左右差は?
乳房の左右差が突然現れたり、もともとあった左右差が急に目立つようになると、乳がんの兆候である可能性があります。具体的には、次のような変化に注意が必要です。
- 一方の乳房が急に大きくなる: 乳がんが大きくなることで、乳房全体が腫れるために起こります。
- 乳房の形が変わる・小さく硬くなる: 乳がんは、周囲の正常な組織を押し広げたり、かたまり(腫瘤)を作らずにパラパラとすき間に入り込んだり、周囲の組織や免疫細胞と反応したりして、大きくなっていきます。乳がんが広がる過程で、乳房全体が硬く縮んで小さくなったり、形が変わることがあります。乳頭の向きが変わったり、へこみが見られることもあります。
- 皮膚の異常: 乳房の皮膚にえくぼ状のくぼみや引きつれが現れることがあります。これも乳がんによる皮膚の変形が原因です。皮膚の色が変わったり、分厚く毛穴が目立つようになることもあります。
ブレストアウェアネスの重要性
いつもと違う、乳房の左右差に気づいた場合は、できるだけ早く医師の診察を受けることが重要です。また、普段の乳房の状態を知り、以下のような乳房の変化に気を付ける「ブレストアウェアネス」を日常の習慣にすることも大切です。
- 乳房全体を触診して、しこりや硬さがないか確認する。
- 鏡の前で左右の乳房を比較し、形や大きさに変化がないかを見る。
- 乳首からの分泌物がないか確認する。
ブレストアウェアネスについては、以下のページも参考にしてください。
乳がんについての知識を深めましょう!
乳房の左右差は、多くの場合問題ありませんが、些細なことでもいつもと違うと感じられたら、気軽にご相談ください。 突然の変化や異常を感じた場合は、乳がんの可能性を除外するためにも、早めの診察をお勧めします。
乳がんは早期に発見されれば治療が可能です。定期的なマンモグラフィー検査や超音波検査も、早期発見に役立ちます。
このブログを通じて、少しでも多くの方が乳がんについての知識を深め、適切な診療を受けていただける一助になればと思います。