1.1 能登半島地震
年末年始、実家の富山で過ごしていたところ、1月1日に起こった能登半島地震に遭いました。余震が続くなか不安な夜を過ごしました。幸い家族も無事で、こちらに戻ってくることが出来ました。1月4日に、クリニックでいつもの朝を迎えられたことに感謝しています。
能登地域は、外科医3年目で勤務させていただいた所。被害の大きさに心が痛みます。能登半島の先、特に奥能登地域は過疎化が進み医療機関も少ないです。外科医とはいっても、かかりつけ医のような何でも屋さんとして、子供からご年配の方まで年齢にかかわらず、また、内科の病気や脳神経外科・皮膚科・耳鼻科・眼科までいろいろな病気を見ていました。患者さんも家族のような感じで、お礼に生きたカニをもらったこともありました。病院のスタッフも、住む人も優しく、温かい人ばかりです。
子供のころに行ったのとじま水族館。家族で和倉温泉の加賀屋に泊まったこと。楽しい思い出がたくさんある、能登。見知った景色が変わってしまったことに、言葉がありません。
金沢で勤務していた頃の外科の同期たち、今精一杯彼らの仕事をしていることでしょう。これから長い道のりだと思いますが、どうか身体に気をつけて安全に過ごしてほしいです。
乳がんの治療中の方もいることでしょう。被災され、治療のことも…不安になるかもしれません。こんな時だからと自分のことを後回しにしないで、担当の先生やスタッフ、周りの人に相談して下さい。被災されている場合は保険証がなくても病院を受診できますし、医師の処方箋なしでお薬をもらえる場合もあります。一人で抱えずに、みんなで乗り越えていきましょう。
わたしにはこのクリニックがあり、今はこの場で、自分のできることをするしかありません。とても歯がゆいですが、できる支援をしていきたいです。
お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、ご遺族に心からお悔やみを申し上げます。
故郷の一日も早い復興を祈ります。