婦人科と乳腺外科のかかりつけ医
人生100年時代といわれるようになりました。女性にとって、前半の50年は、初めての月経、妊娠や出産、その後の閉経まで、女性ホルモンの影響を多く受ける時期です。女性ホルモンの減少は、30代後半から始まります。若いから何とかなるかな、と思って頑張りすぎると、思わぬ心身の不調をきたすことがあります。40代になると、健康診断で高血圧、糖尿病などの生活習慣病を指摘される方もいらっしゃいます。前半の50年をどう過ごすかは、後半の50年の人生の質に関わってきます。
また、女性特有のがん、子宮頸がんや乳がんは、若い世代から注意が必要です。子宮頚がん検診は20代から、乳がん検診は30代から、定期的に受けていただくことで、早期発見・早期治療が可能です。卵巣がんや乳がんに関しては閉経後、60代、70代になっても注意が必要です。
婦人科の専門医は、子宮がん検診や、子宮頸がんワクチンなどのがん予防、月経に伴う症状や更年期症状の相談、不妊やバースコントロールなどの生殖医療など、 女性のライフステージに応じ、様々な健康のサポートを行います。更年期症状に対してホルモン補充療法を受けられる時や、妊活前のチェックのための乳がん検診、授乳中のしこりや乳腺炎の診断など、産婦人科から乳腺外科へ紹介していただくことが良くあります。
乳腺外科は乳がんの診断や治療を専門としています。乳房の痛みやしこりなど、乳房に起こる変化は必ずしも乳がんとは限りません。乳腺は女性ホルモンの影響を強く受ける臓器なので、一時的なホルモンバランスが関係していることもあります。思春期や若い世代の乳房のしこりの多くも、悪いものではないことが多いのです。ただ、乳がんはどの年代でも起こりうるため、念のため一度は乳腺外科の診察を受けていただきたいと思います。
女性は、女性特有の臓器を診る、婦人科と乳腺外科のかかりつけ医を持っておくと、いざという時に安心です。最初は受診するのが恥ずかしいと思われるかもしれませんが、最近は女性医師も増えてきました。当クリニックは、女性スタッフのみです。女性どうし、分かり合える部分があるかと思います。もし至らない点がありましたら、ぜひ教えてください。
また、日ごろから、女性がなりやすい病気に関して、関心・知識をもっていただき、定期的な検診や症状のセルフチェックを習慣にして下さい。自分の命は自分で守りましょう。