がん治療と妊娠:兵庫県のネットワークと助成金
がん治療の影響で、若いがん患者さんでは、妊孕性(生殖機能)が失われてしまうことがあります。近年、生殖医療の進歩に伴って、男性では精子、女性では卵子・胚・卵巣組織を凍結保存することで、妊孕性を温存することが可能となっていますが、費用が大きな負担となります。兵庫県では、妊孕性温存のための治療費の一部の助成を行っています。以前は市町村でしたが、今年度からは県で受付されています。
兵庫県/兵庫県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業 (hyogo.lg.jp)
また、妊孕性温存のためにがん治療が遅れて予後に影響があることは避けなくてはいけません。生殖医療医とがん治療医が緊密に連携し、多職種の医療従事者によるサポートが重要となってきます。これらの医療従事者から成るがん・生殖医療ネットワークが全国に展開されていて、兵庫県では2016年1月に「兵庫県がん・生殖医療ネットワーク」が設立されています。
がん治療と妊娠 – 地域医療連携 (j-sfp.org)(全国のネットワークが掲載されています。)
がん治療の進歩により、乳がんの治療を受け、克服される方も増えてきました。治療が落ち着いていても、仕事、恋愛、出産、育児などの人生の様々な選択に悩まれるかもしれません。クリニックとしても、ご自身の人生を歩む支援ができればと思います。