春は“おっぱいトラブル”にご用心。安心して母乳育児を続けるために
春に多い乳腺炎、その理由。
春は、赤ちゃんとのお出かけが気持ちよくなる季節。
でも実はこの時期、授乳中のお母さんから「乳腺炎」のご相談が増える傾向があります。
「痛みは落ち着いたけど、しこりが残っていて気になる」
そんな声もよく聞かれます。
今回は、なぜ春に乳腺炎が増えるのか? その理由と対策についてご紹介します。
■ 春に乳腺炎が増える主な理由
1. 寒暖差による体調の変化
春は、朝晩と日中の気温差が大きく、自律神経が乱れやすい季節。外出時に冷えや過度の疲れがたまり、お母さんもお子さんも体調を崩しやすくなります。 免疫力が下がることで乳腺炎につながるケースがあります。
2. 乾燥による乳首のトラブル
気温は上がっても湿度はまだ低め。肌の乾燥が起きやすく、乳首のひび割れなどから細菌が入り、炎症を起こす原因に。
3. 生活環境の変化によるストレス
春は新しい環境が始まる季節。上のお子さんの入園・入学、ご自身や家族の生活リズムの変化など、知らず知らずのうちにストレスがたまり、ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下が起こることも。
4. 風邪・花粉症などの感染症の影響
春は風邪や花粉症など、体調不良が起こりやすい時期。体が弱っていると、乳腺の詰まりや炎症が起きやすくなります。
5. 授乳リズムの乱れ
春は 旅行や外食など 外出や活動が増える季節でもありますが、 授乳の間隔が空いてしまうことも。 赤ちゃんが成長して、寝ている時間が長くなったり、授乳の回数が減ったりすると、赤ちゃんの飲む量と作られる母乳の量のバランスが崩れてしまうことがあります。
■ 春の乳腺炎を防ぐためにできること
- 乳房に違和感があったら早めにご相談を
少しでも「いつもと違う」と感じたら、無理せずご相談を。痛みがなくても、しこりだけが残っている場合も注意が必要です。 - 乳首の保湿・ケアを大切に
乳頭に傷があると細菌が入りやすくなります。乾燥を感じる前に保湿クリームなどでケアを。 - 授乳の間隔を空けすぎないように
赤ちゃんがよく寝ている時は、少し搾乳するのも効果的です。 - 体を冷やさず、疲れをためないこと
気温差に合わせて体を冷やさない工夫を。無理をせず、休息も授乳と同じくらい大切です。
■ この時期、「卒乳・断乳」を考える方も増えています
春は、新年度のスタートや保育園への入園、職場復帰などのタイミングで、卒乳や断乳を意識するお母さんも多い季節です。
卒乳・断乳後のご相談内容の一例:
- 「もう授乳をやめたけど、張りが残っている」
- 「しこりのようなものがあって不安」
- 「卒乳したら乳がんの検診はどうしたらいい?」
卒乳は、赤ちゃんの成長のひとつですが、不安なまま過ごすより、ご相談にお越しください。より安心して次のステップに進めますよ!
■ 乳腺専門医+助産師でサポート
当院では、乳腺の専門医が、地域の助産師と連携し、授乳中のお母さんをサポートしています。
- しこりや痛みの診察
- 必要に応じた検査やお薬の処方
- 今後の検診についてのアドバイス
- 母乳ケアの相談が出来る助産師のご紹介(※当院では母乳マッサージは行っていません。)
「病院に行くほどでもないかも…」と思っても、遠慮なくご相談ください。
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私たちは、がんばるお母さんたちを医療とケアの力で支えます。
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