乳がんと遺伝②男性の乳がん
男性乳がんは比較的まれで 乳がん患者さん全体の1%とされています。
女性の乳がんは30代後半から40代くらいから増えてきますが、男性の場合は、診断時の平均年齢が60~70歳と高齢のことが多いとされています。
乳がん患者の大部分は女性であるため、男性も乳がんになることを知っている方は少ないことでしょう。認知度が低い故に、乳がんと思わず放置してしまったり、恥ずかしさから受診をためらって診断が遅れたりする場合があります。
男性の乳がんは頻度が少ないため、定期的な乳がん検診は進められていませんが、男性の乳がんも女性の乳がんと同じように、しこりや分泌物、乳頭乳輪部や皮膚の変化などの症状で見つけることが出来ますので、男性も女性と同じ様に乳房に変化がないか定期的にチェックすることが大切です。
男性乳がんに対しても基本的には女性の乳がんと同じように検査、治療を行います。
診断のために、マンモグラフィ、超音波検査、細胞診・針生検などの病理検査を行います。 男性の場合は特に、女性化乳房症などとの鑑別が必要になります。
外科手術、放射線療法といった「局所治療」と、化学療法(抗がん薬治療)、ホルモン療法、抗HER2療法などによる「全身治療」があります。
男性乳がんの患者さんの約15~20%に乳がんの家族歴があります。男性乳がんの場合は、女性乳がんと比較して遺伝にかかわる乳がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)である確率が高いことが知られています。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群は、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、すい臓がんと関係があります。これらのがんに罹患した血縁の方がいらっしゃる場合は、男女関係なく乳がんのリスクが高まりますので、注意が必要です。
当院は男性の方も受診可能です。 受診される方の大部分が女性のため、予約時間を調整させていただいています。 受診を希望される場合は、お電話または公式LINEアカウントへお問い合わせ下さい。 LINEは下記のリンクから友だち登録をするとご利用頂けます。