「私は乳がんにならない」— その思い込みに潜むリスク
楽観バイアスとは
「私は乳がんにならないから検診は不要」—— そう思っていませんか?
確かに、乳がんは誰にでも起こるわけではありません。しかし、「私は大丈夫」と思い込んでしまうのは、楽観バイアスの影響かもしれません。
楽観バイアスとは、「自分だけは大丈夫」 と思い込んでしまう心理のことです。たとえば、
・交通事故 は毎日のようにニュースになるけれど、「自分が巻き込まれることはない」と思っている
・喫煙 が肺がんのリスクを上げると知っていても、「自分はならない」と考えてしまう
・乳がん は身近な病気と聞いても、「私は違う」と思い込んでしまう
このバイアスは、「リスクを正しく評価できなくなる」 ことにつながります。つまり、本来は一定の確率で起こりうることなのに、「自分には関係ない」と思ってしまうのです。
ポジティブバイアスが乳がん検診を遠ざける理由
「私は乳がんにならない」と思っていると、次のような行動につながります。
・検診を受けない → 早期発見のチャンスを逃す
・自分のからだの変化を気にかけない → しこりがあっても気づかない、あるいは放置する
・病院に行くのを後回しにする → 「忙しいから今度でいいや」と思い、気づいたときには進行している
このように、「私は大丈夫」という思い込みが、健康リスクを高めてしまう可能性がある のです。
「ならない」ではなく、「なっても大丈夫」にするために
乳がんの早期発見・早期治療は、生存率を大きく左右します。 たとえば、ステージ1で発見された場合の5年生存率は90%を超えていますが、進行してしまうと治療が難しくなることもあります。
だからこそ、「ならない」と信じるよりも、「もしなっても大丈夫」と思える準備をしておくことが大切。そのために、定期的な検診を受けることが一番の対策になります。
「私は乳がんにならない」という思い込みに潜むリスク
もし、このバイアスによって検診を避けてしまうと…
・「しこりがあるけど、気のせいかも」と放置 していたが、 実は乳がんだった
・がん家系ではないので検診を受けず、症状が出てから受診したところ、すでに進行していた
・多忙を理由に、検診のタイミングを逃し、発見が遅れた
こんなリスクを避けるためにも、「私は乳がんにならない」と考えるのではなく、「検診を受けて早く見つけることが大事」と意識を変えることが重要です。
検診は、「病気を見つけるためのもの」というより、「健康を守るためのもの」。
「自分はならない」と考えず、「なったとしても、早く見つけて対処できるように」と考えてみませんか?
未来の自分を守るために、今できること
あなたの未来の健康を守るのは、今日の選択です。
「私は乳がんにならない」と思う前に、一度立ち止まって考えてみてください。
最後に乳がん検診を受けたのはいつですか?
そもそも、乳がん検診を受けたことがありますか?
「私は大丈夫」という思い込みで、大事なチャンスを逃していませんか?
乳がん検診は、あなた自身の未来を守るための選択。
ぜひ受診を考えてみてくださいね。