乳房の生検について②組織診
組織診について
組織診には、針を使って組織を採取する「針生検」と、手術で組織を採取する「外科的生検」があります。
「組織」は細胞の集まりです。組織診はしこりから細胞の塊の断片を取ってくるイメージです。細胞診よりも情報量が多くなりますので、出血のリスクはありますが、ほとんどの乳腺の病気の診断が可能です。また、特殊な染色を行えば、乳がんのタイプを調べることもできます。
針生検は、局所麻酔をした後に、やや太めの針のついた専用の機器を用いて、つまようじの先くらいの組織の断片を採る方法です。外科的生検は皮膚に切開をおいて、しこり全体を摘出する方法です。
針生検は外来で可能で、15分から30分程度の検査時間、傷は数㎜程度で済みます。外科的生検は、局所麻酔を用いる場合は外来で可能ですが、数㎝の傷が残ってしまいます。最近では診断のみを目的として最初から外科的生検を行うケースは、かなり減っています。
コア針生検と吸引式乳房組織生検
針生検は、組織を採取するときに用いられる装置の種類によって、「コア針生検」と「吸引式乳房組織生検」に分けられます。どちらも局所麻酔で行います。 1,2日は出血への注意が必要ですが、日帰りでできる検査です。
コア針生検は、針を目的とする病変まで進めて、ばねの力で組織を切り取る方法です。組織を一回採取するたびに、組織を回収する必要があるため、複数の組織を採取したいときは、針を何度か刺しなおさなくてはいけません。
吸引式乳房組織生検は、 針を目的とする病変まで進め、 吸引をかけながら組織を切り取る方法です。マンモトーム🄬とも呼ばれています。組織を連続して採取し、最後に組織を回収します。適切な位置に針を進めることが出来れば、一度の穿刺で 目的とする病変から複数の組織を採取できます。また、コア針生検に比べるとやや太めの針が採用されていて、吸引をかけることによりさらに多く採取できます。
当院では、コア針生検、吸引式乳房組織生検どちらも可能です。