乳がんの治療は、がんの性質や進行度、患者さんの状況(閉経状態、年齢、既往歴、家族歴、要望など)に応じて、手術、放射線治療、薬物治療などを組み合わせて行います。
多くの施設では、乳腺外科医が乳がんの手術、薬物治療(ホルモン治療や抗がん剤治療など)を行います。腫瘍内科医が薬物治療を行う施設もあります。放射線治療(温存した乳房や、胸壁・リンパ節領域への外照射)は、放射線治療医が行います。
手術でがんを取り、術後の病理検査によって、術後の治療計画を検討することが多いのですが、がんの状態によっては、術前薬物療法(手術の前に行う薬物療法)を行うこともあります。
どのような治療を行うか、治療の順序は、乳がんの進行度や性格などによって変わってきます。治療法は、担当の医師と患者が一緒に選択します。
一般的な乳がんの初期治療と検査の概要は以下の通りです。
乳がん治療は個別の状況に応じて異なります。医師は個々の患者さんの状況に基づいて最適な治療法を提案し、疑問や懸念に対しても丁寧に対応します。
当院では、マンモグラフィ、エコー検査、生検などによる精密検査により、乳がんの診断が可能です。乳がんの初期治療で行われる、手術や抗がん剤などの薬物治療、放射線治療などは、地域の基幹病院へご紹介しています。
治療がひと段落して落ち着いた状況になれば、再び当クリニックで経過観察やホルモン治療を受けていただくことができます。
他院で乳がん治療中の方、治療が一段落し定期的な診察が必要な方も気軽にお問い合わせ下さい。診察の上、当院で対応ができるか相談させていただきます。
乳がんのホルモン治療は5~10年といわれており、また、一度乳がんを経験した方は、反対側の乳がんにも注意が必要です。そのため、当院では術後も長期的なフォローを行っています。
定期検査のうち、マンモグラフィやエコー検査、血液検査は当院で可能です。CTなどの全身検査、骨粗鬆症の検査などは近隣の病院と連携しています。
大きな病院と比べて、クリニックには、自宅に近く通いやすい、待ち時間が少ない、といったメリットがあります。日常の困りごとや体調のこと、再発の不安など、些細なことでもお話しください。安心して生活を送れるよう、 一緒に向き合っていきましょう。
治療について最新の情報を得るには、以下のリンクをご覧ください。
◇日本乳癌学会の「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 日本乳癌学会による患者さんのためのホームページです。
◇YouTubeチャンネル「乳がん大事典【BC Tube編集部】 一般社団法人 BC Tube
一般社団法人BC Tubeは、有志の乳腺科医のチームです。YouTubeを通して、乳房の健康、乳がんの予防・診断・治療に関する正しい情報を発信されています。
◇国立がん研究センターのウェブサイト がん情報サービス
(院長のブログ)
私に抗がん剤治療は必要ですか?~乳がんの再発リスクを予測するツールや検査
乳がんと診断された方へ① Your Breast Cancer Journey
乳がんの治療では、様々な支持療法/サポーティブケアによって、治療による副作用や後遺症を和らげることができます。様々な問題の対処法をあらかじめ知っておけば、治療を継続しながら、仕事や家庭での役割を果たしたり、自分の生活を楽しんだりといった、ご自身の生活の質を維持することもできます。乳がんの治療は長期間にわたりますので、病院やクリニックでのケアだけではなく、ご自身で対処しなくてはいけないところも多いのですが、少しでも力になれたらと思います。
以下は乳がんの術後の方からのご相談内容の一例です。詳細は、サポーティブケア supportive care のページをご覧ください。
・アピアランスケア
・リンパ浮腫
・治療と仕事の両立
・更年期症状
・治療と妊娠について