20代、30代でも、乳がんになる可能性があります
もしかすると、あなたのお母様やおば様、ご姉妹など、近しいご家族が乳がんを経験されたことがあるかもしれません。
そのとき、どこかで
「もしかして自分も…?」
と、不安を感じたことはありませんか?
今日は、乳がんの家族歴がある20代、30代の女性に、心からお伝えしたいお話があります。
まだ若いから大丈夫?
残念ながら、それは思い込みかもしれません。
乳がんといえば「40代以降の病気」と思われがちですが、
20〜30代でも、乳がんは確かに起こります。
特に以下のような方は、リスクが高まるとされています:
- お母様や姉妹に乳がんを経験された方がいる
- 卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんなどの家族歴がある
一方で、「がん家系ではない」と思っていた人が乳がんになるケースも少なくありません。
若い方は検診の機会も少なく、乳がんの知識に触れることもなく、
気づいたときには進行していたというケースも、私は目にしています。
若年性乳がんがもたらすのは、命への影響だけではありません
治療のタイミングや内容によっては、
妊娠・出産・仕事・パートナーとの人生設計にも大きな影響が出ます。
怖がるだけではない。知ることで守れる未来がある
乳がんが怖い――その気持ちはよくわかります。
でも、本当に怖いのは、「知らないこと」「目を背けてしまうこと」です。
たとえば――
✅ 20〜30代のうちから、定期的な乳がん検査を受ける
✅ 必要があれば、遺伝子検査を受けて将来のリスクを見える化する
✅ 早期発見につなげて、将来の妊娠・出産・仕事の選択肢を守る
こういった選択肢が整ってきています。
早期に見つけられれば、乳がんは「治せる病気」です。
治療しながら仕事を続けたり、将来の出産を見据えた治療ができる時代です。
「どう生きたいか」をベースに、乳がんと向き合う準備ができる時代なのです。
いま注目される「プロアクティブヘルス」という考え方
最近、医療の世界では「プロアクティブヘルス(予防医療)」という考え方が注目されています。
プロアクティブ (Proactive) は、もともとは英語の “proactive”(前もって行動する、先取りする)という言葉からきています。 つまり――
未来に起こるかもしれないことを想定し、
今、自分にできることを先まわりで選んでいく姿勢のこと。
病気になる前に動く。
不安を放置せず、自分の人生を自分で守る。
それが、プロアクティブな生き方です。
乳がんのリスクはゼロにはできないけれど、
「見つかる前に行動すること」は、あなたの手でコントロールできます。
怖さを知った上で、それを力に変えていく。
これこそが、“自分で未来をコントロールする”ということです。
乳がんのリスクは「ゼロにはできない」。
でも、早期に発見することは、あなた自身の行動でできるのです。
今の一歩が、「未来の自分を守った」と言える日になるかもしれません
「もっと早く来てくれていれば…」と感じた患者さんもいれば、
「定期的に来てくれていて、本当によかった」という患者さんもいます。
あなたが今、
検診を受けてみようかと考え始めた
自分の家族歴や生活習慣を見つめ直してみようと思った
それだけでも、すでに未来に向けた第一歩です。
「少し気になるけど、病院に行くほどではないかも」
そう感じている方こそ、それが“受診すべきサイン”かもしれません。
乳がんに限らず、病気というのは
「なってから考える」では遅いことがあります。
医療や人生において、「完全に不安がなくなる」ことはありません。
でも、
「自分の未来は、自分でコントロールできる」ということを知っておきましょう。
✔ 検診を受ける
✔ 遺伝的なリスクを把握する
あなたの行動が、
未来のあなたの「選択肢」を守る力になります。
今、少しでも不安があるあなたへ。
ぜひ当院へご相談に来てください。
▷ 20代、30代の乳がんについて 若年性乳がんの特徴についてまとめています